上半身トレの基本、正しい腕立て。OKCとCKCの違いって?
以前に下半身トレの基本であるスクワットをご紹介しました。
スクワットは一度にたくさんの下半身の筋肉を鍛えられるため、とても効果が大きいというのは分かっていただけたかと思います。
では、上半身は何で鍛えればいいのか、というとポピュラーですが「腕立て」になります。
世の中、人気があるものにはそれなりに理由があるもの。
効果が高いからこれだけ根強い支持があるわけです。
ただの腕立て伏せとあなどらないでください。
効果を引き出す正しい腕立てをできている人はほとんどいないとKENは見ています。
腕立ては、単なる腕と胸のトレーニングではない。
腕立てを単なる腕と胸のトレーニングと思っている人も多いですが、それは間違いです。
比較にベンチプレスとの違いを考えてみましょう。
トレーニング用語でオープンキネティックチェーン(OKC)とクローズドキネティックチェーン(CKC)というのがあります。
ベンチプレスはOKCのトレーニングですが、腕立てはCKCのトレーニング。
二つとも腕、胸のトレーニングと考えられていますが、大きな違いがあります。
その違いとはなんでしょうか。
体の動きというのは構造的につながっています。
その構造の末端(四肢)が開いているのがOKCで、その構造の末端(四肢)が閉じているのがCKCです。
ベンチプレスでは背中がベンチで固定されていて、主に腕と胸を使って重りを動かします。この時、末端である足にはほとんど力がかかっておらず動かせます=OPENということ。
腕立てでは足と腕の四肢で体を支え、動作に入る時に四肢には力がかかっていて動かせません=CLOSEということです。
この一番の違いは何かというと、OKCは特定の部位だけに効かせる(効かせやすい)トレーニングで、CKCは特定の部位を狙うにしても他の部位も使わないとできない動作だということがわかります。
腕立ての場合でいうと四肢を固定して体幹を使わないと動作ができません。また、体全体を使う動作になるので例えば、お腹の力が抜けてると背中が反ったりして、腕にも胸にも負荷がきちんとかからない。
逆にきちんとした腕立てのフォームだと腕、胸だけでなくお腹や尻などもバランス良く鍛えられる=CKCの全身のパフォーマンスが上がるトレーニングになるのです。
OKCがパーツ狙いのトレーニングなのに比較して、CKCは全身連動トレーニングなので特定の部位以外も鍛えられる特徴があります。その分動きの難易度は高い。
腕立てもきちんとCKCのトレーニングになっていれば、腕、胸だけでなく全身が効率よく鍛えられるすばらしいトレーニングになります。
その代わりにフォームについて覚えることが出てきます。次からそれを見ていきましょう。
腕立て時における正しい手の位置とは?
まず、手の位置によって効く場所や効果が変わることも覚えておきましょう。
前提としてですが、腕を頭に対して前の方に置くといい効果は得られません。
腕の位置は胸の横に置かないと、ダメです。上から見るとT字ではなく↑のように見えることが重要。前方に手を置くと楽ですが、その分力が逃げてしまうのです。
その上でたくましい胸、いわゆる逆三角形の体型を目指すならワイドプッシュアップ。
手の位置を開く事によって主に大胸筋に強く効かせられます。こんな感じ。1:00くらいからを見てください。
手の位置を狭くするナロープッシュアップだと腕の上腕三頭筋に強く効かせられます。
このように基本フォームを抑えつつ手のポジションを変えることで「主に」聞かせられる部位を変えられます。しかし、全身、特に体幹を使えていないとトレーニング効果が半減するのは共通しています。
基本のプッシュアップはこの動画を。体全体の使い方も解説されています。
いろんなプッシュアップという意味ではこちら。
人に乗ってもらって負荷をかけたり、手の位置でこれだけバリエーションが変わって、効く場所も変わる、というのがわかります。プッシュアップはとてもバリエーションが多いトレーニングなので、飽きずに楽しめます。
CKCである腕立ての特徴を生かして、上半身だけでなく体全体をバランス良く鍛えましょう!